マンホールのふたは、路上の穴を塞ぐ単なるふた。
車が頻繁に通ればずれるし、耐久性も低い。
雨の日にはその上でスリップも。
「マンホールなんてそんなもの。」
そんな常識の壁を壊してきた。
マンホールのふたは路上の穴を塞いでいれば
それで良かった。割れてもずれても仕方ない。
そんな常識とヒノデは闘った。表に出ている
ふただからこそ道路との一体化が必要な
はず。怖くて踏めない。うるさくて眠れ
ない。そんなマンホールを変えてやる。
アメリカで開発された新しい素材を
マンホールに持ち込めないか。その
ために製品設計のみならず、生産
プロセスも一変させた。
今でこそ普通にそこに
あるマンホールには
ルールと闘った
歴史があった。
マンホールのふたは80kg以上という重さでその役割を担っていた。この重量がコストにはねかえり県境を越えて流通させることは不可能なローカルビジネスの宿命だった。軽いふたの開発ができれば、全国ベースでビジネスが展開できないか。
しかし、素材を変えて半分以下の40kgにできた反面ガタつかない構造が必要になった。素材と構造、両方を解決した時初めてヒノデのマンホールふたが業界標準になり、日本の規格に育っていった。
規格に合わせるのではなく規格そのものを作ってしまう。それがヒノデのやり方なのだ。
マンホールのふたはヒノデが作った新たな規格が
あたりまえになった。今度は市町村ごと
にきめ細かく対応することで
ヒノデは
そこまでやるかと言わせたい。
今では普通の風景になった地域の
名産・名所をモチーフにした
デザイン
マンホール。これを始めたのもヒノデだ。
マンホールのふたの多様化が、その後のヒノデの競争力をはぐくんだ。
攻めと守りのあわせワザ。
これがヒノデの戦略だ。
日本の橋梁はその多くが老朽化し
耐震化などの対策が急務だ。
なかでも車の荷重を受け続ける
「床版」には課題が多い。
だったら、マンホールのふたで培った
ヒノデの鋳鉄技術で解決できるんじゃ
ないか。鋳鉄なら耐久性と耐震性を
ダブルで高めることができる。
床版に鋳鉄を使用することで
新たな可能性が広がるが
前例がないことを理解して
もらうことは簡単ではない。
ここでもまたルールを変える
必要がある。困難なのか?
いや、ヒノデならやれるはず。