日之出水道機器株式会社（本社：福岡市博多区、代表取締役社長：浅井 武、以下当社）は、1994年に鋳鉄製マンホール蓋専用工場として開設した佐賀工場（佐賀県みやき町）を、マンホール蓋に加えて産業機械領域の多様なものづくりにも対応できるハイブリッド型の鋳物工場として全面的にリニューアルし、5月16日に完成披露会を行いました。

※1：産業用鋳物とマンホール蓋等の公共資機材を同一ラインで製造できるラインのこと。

佐賀工場リニューアルの背景と目的

日本国内の鋳物メーカー約700社の約8割は従業員数30人未満の中小零細企業であり、また、事業承継者不足や工場の海外移転などにより、鋳物メーカー数自体も2000年比で約40％減少しています。一方で、中国においても政府の環境政策により多くの鋳物メーカーが廃業に追い込まれており、経済安全保障の側面からも、日本国内で高品質・小ロットで鋳物を供給できるメーカーを求める声が高まっています。

そのような背景を捉え、当社は1919年の創業以来培ってきた鋳物の材料開発力、構造設計力、生産技術力を活かし、工作機械やロボット、半導体製造装置などの産業機械用部品の供給力を近年強化してきました。

今回の佐賀工場のリニューアルは、最新設備の導入やIoT化により、様々な種類の高品質な鋳物を小ロットから短納期で供給を可能とするものです。供給能力は2024年度のフル稼働時で24000トン／年となります。これにより日本の産業界の競争力強化に寄与してまいります。

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新佐賀工場の主な特長

（1）生産DX

• 生産計画から実際のものづくりまでをデジタルデータでつなぐことで、製造順番や個品の製造条件が人を介さずに瞬時に生産設備に伝達する生産DXを構築。
• 生産DXのしくみにより、超高速・多品種少量生産を実現。
• 注湯工程では、製品重量や形状などの製品特性に応じた個品ごとの注湯が可能。
• 造型工程では、鋳型ナンバーリング機能により、個品ごとにシリアルナンバーを鋳型に掘ることができるため、個品でのトレーサビリティーが可能。

（2）超高速・多品種少量生産

• 多様な材質、重量、形状の製品を超高速かつ少量で製造可能。
• 鋳造方案のデータベース化と流動凝固解析を用いた事前シミュレーションにより、最適な鋳造方案を短期間で設計可能。
• サイクルタイム20秒／モールド（当社従来比2倍速）の最新鋭造型設備の導入。
• ロット数に応じた最適な母型材質（人工木材・樹脂・アルミ・鋳鉄など）を選択可能。超小ロットの場合は、母型を作らずに三次元砂型積層造型機で直接鋳型を製造することも可能。
• 10～120kgまでの重量幅に対応できる冷却ラインを設置。

（3）高精度・高品質鋳物

• 蓄積された鋳造方案の知見と流動凝固解析によるシミュレーションにより、内部欠陥のコントロールが可能。
• X線透過装置や超音波探傷装置を用いた内部欠陥の可視化が可能。
• 製品形状の特性に応じて造型圧と押し固める場所を個品ごとに変更できる造型プログラムを搭載しているため、最適な強度の鋳型を製造可能。
• 鋳型の造型不良を画像解析で瞬時に判断する検知システムを搭載。

（4）エコロジー

• 溶解炉監視システムにより、溶解炉改修スパンを当社従来比1.5倍まで延ばすことが可能。
• ＡＧＶによる自動搬送、母型段取りや仕上げなどのロボット化、集中操作室における遠隔監視および遠隔操作により、省力・省人化した人にやさしい生産環境を実現。

お問い合わせ先

日之出水道機器株式会社　広報部　畑楠

TEL.03-5214-3727

E-mail.k-hatakusu@hinodesuido.co.jp