ドイツ RAMPF Group(ランプグループ)の日本法人RAMPF Group Japan株式会社(大阪市淀川区、代表取締役 長沼 吉昭、以下RAMPF Japan)と、日之出水道機器株式会社(福岡市博多区、代表取締役社長 浅井 武、以下日之出水道機器)は、それぞれが知見を有する技術を活かし、相互発展を目指し、ミネラルキャスティング製品の共同開発、生産、販売などに関する事業提携契約を締結しました。
現在、日本国内では生産されていないミネラルキャスティング製品を、今後は日之出水道機器の工場で生産するとともに、ミネラルキャスティング技術に関して、東京大学大学院 杉田直彦教授とも連携しながら、将来の研究開発を共同で進め、より良い製品をお客様に安全・迅速にお届けできる体制を構築してまいります。
ミネラルキャスティングとは
ミネラルキャスティングは、樹脂と骨材を固めたポリマーコンクリートの一種。粒径の異なる鉱石を骨材とし、エポキシ樹脂で結合させた高機能複合材料です。
ミネラルキャスティングは、高精度・高速動作が求められる産業機械用途を中心に欧州等で多く利用されています。
材質面では、①高振動減衰性(ねずみ鋳鉄(FC)の10倍)、②低熱伝導率(FCの1/50)、③電気絶縁性といった特長があり、生産面では、④低温で成型するため注型前の型に配管などを組み込むことが可能、⑤高精度の転写性(0.003~0.007/1000mm )を持つため加工レスが可能、⑥高温融解が不要なためエネルギー消費量が低い(鋳物比30%以上減)といった特長があります。
このような特性を活かし、工作機械、半導体製造装置、計測機器など、高精度、高能率が求められる各種機械のベッド等の構造体に主に使用されています。
事業提携の背景
(1)ミネラルキャスティングのニーズ
- 産業用機械には、近年、さらなる高精度化や高能率化が求められており、機械自体の静剛性や振動減衰性、熱的安定性の高さなどがその成否の鍵を握っています。産業用機械の構造材料としては、様々な特性を持つ金属材料が使用されていますが、使用部位によっては、金属とは異なる特性を持つ新材料が必要となっています。
- カーボンニュートラルへの対応の必要性から、よりCO2排出量の少ない部材への関心が高まっています。
(2)ミネラルキャスティング技術の国内状況
- ミネラルキャスティングの製造工場は、欧州、アメリカ、中国が主であり、日本国内では製造拠点がありません。従って、海外からの輸入リードタイムや運賃に加え、図面等の詳細技術資料を海外に提供する場合は、安全保障輸出管理に関する外為法に定められたリスト規制・キャッチオール規制の「該否判定書」等の書類が必要となります。
- 日本では不飽和ポリエステル樹脂を使用したポリマーコンクリートが、土木資材用途として使われていますが、工作機械をはじめとした産業機械向けにはほとんど使われていません。
提携内容と今後の展望
提携事業の基本は、RAMPF Groupのもつミネラルキャスティング技術と、日之出水道機器が土木用途として40年来蓄積してきたポリマーコンクリート生産技術を組み合わせ、日之出水道機器 栃木工場にてミネラルキャスティングの製造を行い、RAMPF JapanにRAMPFブランド製品を納入すると共に、ヒノデブランド製品として日之出水道機器も販売を行います。
ミネラルキャスティング技術に関して、最先端の生産加工に関して研究され、製造業の技術革新に造詣の深い東京大学大学院工学系研究科の杉田直彦教授のアドバイスもいただきながら、共同で研究開発を行い、より良い製品の提供につなげてまいります。
- お問い合わせ先
- 産業機械ビジネスユニット 田中・日高
- TEL.045-478-0527
- E-mail.sangyoukikai@hinodesuido.co.jp